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2014/10/21 院長のたわごと

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いやはやめっきり寒くなってきましたね~

 
晩の日課である犬の散歩がこたえる季節になってまいりました。

 
秋も深まって寒くなるとお出かけが億劫になり自宅にこもって本ばかり読んでおります。しかも「読書の秋」のせいもあると思うのですが、この時期とても魅力的なタイトルが目白押しで読書の虫が騒いで爆発しております。

 
そこで、今回もですがわたくしが最近読んで個人的に面白かったものをご紹介させていただこうと思います。

 
ところで書店で手に取る本は異性の書いた本が多いですか?それとも同性が書いた本?

 
わたしは圧倒的に異性つまり女性の書いた本を読むことが多いです。男の自分では気づかないような細やかな感情や心理、仕草などが文章の中にふんだんにちりばめられていることで物語の登場人物になりきり、そして深く深く感情移入することが出来るからです。

 
そこで、今回は芥川賞作家でもある川上未映子さんの作品をご紹介したいと思います。タイトルは『すべて真夜中の恋人たち』です。

 
この作品は著者の川上未映子さんにしては珍しく?恋愛をテーマにした作品です。

 
この作品は地味で他人と関わりあうことがとっても苦手な主人公がこれまたとっても地味な相手に恋をするお話です。本書の中でこれといった大きな事件も感動の涙を誘うような物語は一切起こりません。

 
主人公は34歳、34年の人生の中で特に恋愛経験もなく、何かに大きく感情を揺さぶられるような出来事を経験したわけでもなくただ、流れるがままに生きてきた女性です。そこに現れた「好きな人」。

 
彼女は自分に「好きな人」が出来たことに驚き困惑します。34年目にして出来た「好きな人」にたいしての彼女の一言一言、「好きな人」を想う気持ち行動はどれもこれも真剣そのもので心に響きます。物語を読み進めるにつれ、自分はここまで大切なひとのことを想ったことがあったであろうか真剣に考えたことがあったであろうかと自問自答してしまいました。

 
この物語には主人公と同い年のもうひとりの女性が登場します。彼女は美しく、仕事も出来、自分の考えを持ち恋愛においても相手に困らないといったいっけんとても恵まれて主人公とは真逆の人生を歩んでいるかのように見えるのです。ですが、彼女もまた主人公の女性と同じくたくさんの孤独を抱えているのです。

 
主人公とまったく真逆の女性をあえて登場させることでここでタイトルの『すべて…』のところがストンと理解できるのです。

 
またも、長ーくなってしまいましたが、秋の夜長にじっくりしっとりと読める一冊であると思います。

 
気になられる方は是非お手にとってみられてはいかがでしょうか。

 
ではでは~

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